この度、シンガポールが日本円にして、約22億円分もの国家予算を農業に割り当てることを決定しました。
今回は、なぜシンガポールがこういった判断に至ったのか、またどういった取り組みを行うのかについて見ていこうと思います。
もくじ
なぜ農業に投資したのか?

そもそも、シンガポールは、あまり農業と縁がない国のようなイメージがあるのではないでしょうか?
その認識は間違いではなく、実際に今までシンガポールで農業はほとんど行われておりませんでした。
では、シンガポールは、なぜいきなり農業にこのような大金を投資したのでしょうか?
原因はコロナ騒動?

その背景には、実は新型コロナウイルス騒動が大きく影響しているのです。
もともとシンガポールは、超の付くほどの輸入国家で、食糧自給率が生産額からみて10%未満という、日本以上に極端な産業形態をとっています。
そこで、今回のコロナショックで各国からの物流が断たれたことにより、国家を揺るがすレベルの大被害を被ったというわけです。
そして、国の指針として、「2030年までに食糧自給率を30%にする」といった思い切った宣言を行いました。
しかしながら、農地が占める割合は国土の約1%と言われており、そういった環境の中でこの目標を達成するのは、一見いささか無謀なような気がします。
果たして、どのような考えがあるのでしょうか?
裏をかく植物工場

本来、農業に国土という概念は切っては切れません。
その上、ただでさえ農地の割合少ないシンガポールは、世界中をみてもトップクラスに農業に向いていない国といえるでしょう。
しかし、ここでシンガポールは発想の転換をします。
「工場や太陽光発電を利用し、人工の施設で植物の大量生産を行い、それを拡大していく」という、大胆なアクションを起こしました。
また、立体駐車場の屋上なども利用しようと検討しているようで、既に建造物がある場所も積極的に利用するのだとか。
初期導入コストは莫大にかかると思われますが、それに見合った施策となるのではないでしょうか。
目標の達成は可能?

しかし、大それた前例のない企画ではありますが、果たして食糧自給率30%の達成は可能なのでしょうか?
2030年に想定される葉物野菜の消費量は約101,500tとされていますので、その30%の約30,400トンが目標値となります。
ここから、この企画がどのくらいの速さで、どのくらいの規模で拡大していくかにかかっていると思われます。
正直、目標が大きすぎてピンときませんが、管理人はこの取り組みを素直に応援したいと思います。
まとめ
今回のシンガポールの例を見ても分かる通り、農業の需要は世界的に高まってきています。
どのような形であれ、農業を拡大していくといった取り組みは、もう世界的に見ても必要不可欠なところまできているのかもしれませんね。