この度、JAグループが野菜果樹において、国に対して今後の生産に関する考えを発表しました。
新型コロナウイルスによって、農業も例に漏れず大きな打撃を受けていますが、今後どのような動きをしていくべきなのでしょうか?
今回はJAの提案をもとに、今後の農業の考え方について見ていきたいと思います。
もくじ
日本の農業の弱点とは
つい最近まで、「米や野菜が買えなくなった!買いだめしなきゃ!」という声をよく聞きました。
この度の新型コロナウイルスの影響で、まさに海外からの輸入に頼りきっていた点が浮き彫りになったのです。
つまり、これは野菜や果物の生産量が人口の割に圧倒的に不足しているということです。
JAが掲げる野菜果樹対策とは
これを受け、JAは輸入品に頼りきる往年のシステムを脱却し、国産野菜を普及していくことを提起しました。
まず、果樹では省力樹形(根圏制御栽培技術などの労働時間の削減ができる技術を導入すること)の普及、そして産地はもちろん食品メーカーや飲食店なども横断的に支援する枠組みを築き、に力をいれるそうです。
それでは、具体的にはこれらをどのように進めていくのでしょうか?
省力樹形の展開
果樹に関しては、省力樹形を全国的に展開していくべきで、生産者に技術を見てもらうモデル園地を、JAなどが整備する際にどう支援していくかが課題と述べています。
省力樹形向けの苗木は生産に手間がかかるため、未収益期間中の農家を技術者に育成の対象として加えたり、その他にも増産を後押しする施策が必要であり、これを提案しているようです。
スマート農業の促進
まず、野菜・果樹産地の労働力不足対策を位置付ける農業をスマート農業と言います。
JAはスマート農業の促進が重要であり、それに際し生産者が個別に投資する負担を避ける必要があると述べています。
もちろん作物にもよりますが、最先端の農機具を揃えるとなると、1000万円の投資を超えることもざらにあるのが農業の世界です。
これに対し、近年で注目されているドローン(小型無人飛行機)での防除など、スマート農業を取り入れた作業受託に対し、機械の取得費用などの支援を提案しています。
この他のも、野菜価格安定化と収入保険に同時に加入できるようにすることや、産地生産基盤パワーアップ事業の予算確保なども求めています。
産地とメーカーへの支援
まず加工・業務用野菜の国産化に対して、2020年の国の補正予算にて産地の加工施設などの整備や改修に支援策が設けられました。
これに対し、JAグループはこれだけの支援策では十分でないと判断し、新品目の試験栽培など原料の生産面やメーカー側の設備投資にも支援を広げることを提案しました。
JAは、「産地から実需・消費者までを一体化」して後押しすることで国産回帰を加速させるべきだと主張しています。
これは、純粋な生産面への強化ももちろんですが、その側面を強化していき生産を加速していくという考え方ですね。
まとめ
今回はJAの提案をもとに、国産農業を加速するための考え方についてお伝えしました。
細かく対策を見てきましたが、まとめると国産農業を加速していくためには、「いかに農家としてリスクなく働いていけるか」が一番のキーポイントとなると思われます。
これに対し、様々な面から農家の不安要素を消していくことが、今後の農業にとって一番の課題となるのではないでしょうか。