最近よく耳にする「脱サラ農業」というワード。
その名の通り、今日では早期退職して農業に従事する若い世代が徐々に増えています。
それでは、一体なぜこんなに農業が注目されているのでしょうか?
今回は、脱サラ農業における所得の実態に迫っていきたいと思います。
もくじ
農業の形態によって変わる所得
これは脱サラ農業以前の話ですが、ひとえに農業といっても農業には様々な形態があり、その形態によっても所得は大きく変わってくるでしょう。
まず就労形態で言うと、農業だけで生きていく専業農家と、野菜農業.comの管理人のように農業だけでなくその他の副業(管理人の場合はIT)も取り扱う兼業農家に分けられます。
また、自営かどうかかによっても大きく異なり、言わずもがなですが、自営は初期コスト負担などのリスクがある代わりに成功すれば雇用よりも高所得を得ることができ、脱サラ農業をしている方のほとんどは自営農業を選択しています。
もちろん、何をどのように栽培するのかによっても所得は大きく異なってくるので、一概にどの形態の農業が良いかといったことはなかなか言えるものではないのです。
農業で生活できるのか?
まず間違いなく、脱サラ農業を検討されている方にとって最も気になるのが、「農業で生計を立てられるのか?」という点でしょう。
これに関して言えば、先ほどお話しした通り、形態や何を栽培するのかによって大きく異なります。
特に「何をどのように栽培するか」という手段の選択で、収益だけでなく初期コストにおいても大きな増減が起こることでしょう。
また、自営農業でゼロから農地の確保・農機具の購入をすべて行うとなると、約500万円以上の初期費用が必要と言われています。
ですので、最初は農業法人でのアルバイトや契約社員として働いたり、教育機関で勉強してから自営を行う方が多いようです。
少しざっくりと話しすぎたので、ここで少し具体性のある話を加えますと、農林水産省の統計によると農業の平均年収は毎年およそ400万円超ほどであり、ほとんどの人は路頭に迷うことなく農業で十分生計を立てることはできているのです。
ただし、天候や自然災害の影響なども大きく受けることから、毎年安定した収入を得るといったことは難しいのが農業の世界です。
色々と述べましたが、農業収入を安定させるコツや初期費用を抑える手段も存在し、今日では少しずつ脱サラ農業の敷居が低くなってきているのです。
農業で安定収入を得るコツ
安定した収入を得るためにまず重要なのは、自然災害や季節の影響をあまり受けないように工夫することです。
代表的な例が、ビニールハウスを利用して天候や災害に左右されにくい栽培を目指すことです。
ただ災害に強いだけでなく、本来栽培できない季節に出荷する野菜は、普段よりも高い単価で取引されるため、差別化要因を増やすこともできるのです。
また、自然災害による収入保険も存在しますので、いざという時のためにこちらも調べておくとよいでしょう。
そして、今日では先ほどご紹介した兼業農家も増えており、経営の形態によってはサラリーマン時代の数倍の年収を得ることも夢ではありません。
兼業の例として、野菜農業.comの管理人のようにIT技術を用いて農業との連携を考えたり、生産期以外のタイミングで全く別の事業を行なったり、様々な手段があるはずです。
補助金・融資申請を行おう
いきなり最初から農機具などを全て揃える必要はありませんが、「初期費用500万円なんて用意できるか!」という方も非常に多いことでしょう。
そんな方のために、農林水産省では様々な助成金・補助金・融資制度を用意しています。
例えば、都道府県が定める特定の研究機関で年に1200時間研修することで、年間150万円の支援が最大で2年間受けられたり、購入した農機具の半額を補助したりするといった、条件によっては数百万円単位の支援を受けることもできるのです。
また、無利子の融資を受けられるものまであり、農業は他業種と比較すると国からの支援は受けやすい業界であると言えるでしょう。
まとめ
今回は脱サラ農業における所得の実態について見てきました。
これを機に脱サラを検討されている方も、次の仕事を選ぶ際に農業に目を向けていただけると嬉しい限りです。
これからの時代、食糧危機が確実に起こると言われており、農業の需要はどんどん高まっていくはずです。
あくまで野菜農業.com管理人の一個人としての意見ですが、脱サラ農業は時代を先取りしている先見の明ある行動と言えるのではないでしょうか。