農地法って何?農地から学ぶ日本の農業の実態とは!

 
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 皆様は農地法という法律をご存知でしょうか?

 文字通り、農地法とは日本の農地における概要や権利の在り方を記した法律です。

 今回は、農地法の概要を解説しながら日本の農業の実態に迫っていきたいと思います。

農地法はいつ定められたのか?

 そもそも、農地法はいつ定められたのでしょうか?

 少し昔に遡りますと、戦前の日本では大地主が農地を所有して小作人が農地を借りて農業を行なうという仕組みでした。

 これに対し、終戦後にGHQが「この制度を見直さなければならない」と命じたことで、農地法が制定されました。

農地法の概要

 それでは、戦後に定められた農地法の概要について見ていきましょう。

 まず農地法(自作農創設特別措置法と改正農地調整法)は、先ほどの流れの通り、戦前の農地改革を実施するために制定された法律です。

 簡潔に概要を説明すると、それまでの地主が所有していた土地を強制的に国が買い上げて、土地を国が小作農家に売渡すことで、小作人も農地を所有できるようになりました。

農地法の改正

 農地法は、一見ただただ農業参入の敷居が低くなる制度に思えますが、全ての農地を国が管理することにより、制約がかなり大きくなったことで、却って農業が衰退しているという見解もあります。

 その証拠に、農地法は農業参入を減らさないために度々規制を緩める改正を行なっています。

 最新の平成28年度の農地法改正は以下のように行われています。

  • 農業委員会の業務の重点は、「農地等の利用の最適化の推進」であることを明確化
  • 農業委員の選出方法を、選挙制と市町村長の選任制の併用から「市町村長の任命制」に変更
  • 「農地利用最適化推進委員」の新設
  • 農業委員会をサポートするため、都道府県段階及び全国段階に、「農業委員会ネットワーク機構」を指定
  • 役員の農作業従事要件について、「農業に常時従事する役員の過半が農作業に従事」から「農業に常時従事する役員又は重要な使用人のうち1人以上の者が農作業に従事」に緩和
  • 議決権要件について、農業者以外の者の議決権を「総議決権の4分の1以下」から「総議決権の2分の1未満」に緩和
  • 農地を所有できる法人の呼称について、「農業生産法人」から「農地所有適格法人」に変更

農地法の実態

 それでは、農地において具体的にはどのような制限が設けられているのでしょうか?

 特に農家として生きていく上で欠かせない、農地法3条から5条において規定される制限について解説していきたいと思います。

3条:権利の移転・設定に関する許可

 まず、農地等の所有権の移転や使用収益を目的とする権利(賃借権など)を設定・移転させるには、契約の当事者は農業委員会または都道府県知事の許可を得なければなりません。

 ただし、国が取得する場合や、相続によって取得するなど特定の場合には許可が不要となっていますが、基本的に許可は必要となってくるものと認識しておきましょう。

 もし、許可を受けないまま権利を移転・設定させてしまうと、そもそもの契約が無効となり、それだけでなく3年以下の懲役または300万円(法人の場合は1億円)以下の罰金が科されてしまうので、権利の移転をする際は注意しましょう。

4条:農地の転用に関する許可

 農地を農地以外の土地(採草牧草地を含む)として転用する場合、都道府県知事または農林水産大臣の許可が必要となります。

 先ほどご紹介した3条と異なり、許可を受けていなくても転用自体は無効となりませんが、現状を回復させることや、工事を中止させるよう命令の下る可能性も否めません。

 こちらに関しても許可を受けないまま農地を転用してしまうと、3年以下の懲役または300万円(法人であれば1億円)以下の罰金となることもあります。

5条:転用目的での権利移動等の許可

 農地を農地以外(採草牧草地を含む)に転用するため、これらの土地に賃借権など土地を使用収益することができる権利を設定したり、所有権またはその他使用収益することのできる権利を移転させたりするには、都道府県知事または農林資産大臣の許可を受けなければなりません。

 こちらは3条と同様に許可を受けないまま契約をしてしまうと、その契約自体が無効となり、土地の原状回復や是正命令がなされる恐れもあります。

 こちらに関しても許可を受けないまま権利移動をしてしまうと、3年以下の懲役または300万円(法人であれば1億円)以下の罰金となることがあります。

まとめ

 
 今回は、農地法から見る日本の農業についてお伝えしました。
 

きゃろさん

農地法による規制は、農家参入の増加に密接に関わるので、どんどん緩和されてほしいものです。
 
 農家として生活している方は、今一度 農地の許可に関する事項を確認しておきましょう。