「農業は弥生時代から行われていた」というのは、一般的に良く知られている知識です。
しかしながら実は今日では、農業の文化は縄文時代から行われていたことが明らかになっているのです。
今回は、日本の農業の起源について見ていきたいと思います。
もくじ
弥生時代が起源と言われていた理由
そもそも、なぜ弥生時代が日本の農業の起源とされていたのでしょうか?
それは、日本で初めて水田稲作が行われたのが弥生時代だったためです。
これも良く知られていることですが、日本は稲作以外の作物の栽培に向かない地形および気候です。
今こそ農業技術も向上し、かなり幅を利かせた農業ができますが、当時はそんなことはなかったはず…ということで、稲作が農業文化のスタートであると言われていたのです。
また水田稲作の技術が朝鮮半島から渡来人により伝わり、これが日本各地に広まったのが弥生時代だと判明しているため、長い間農業の起源が弥生時代であると言われてきたわけです。
縄文時代説が唱えられた理由
一方で、なぜ起源が弥生時代でなく「縄文時代である」と言われ始めたのでしょうか?
それは、稲作が非常に栽培が難しく、最初に栽培された作物としてはいささか疑問が残るといった点でした。
言い換えると、少し極端かもしれませんが、稲作から農業を始めると言うことは、小学生がいきなり小学校の教育を無視して大学受験の勉強に取り掛かるといった不可解な現象だったわけです。
また、弥生時代であると言われていた時には、電子顕微鏡もなかったため、肉眼で観察するしかなかったので正確な判断が難しかったのです。
そして、今日では電子顕微鏡の開発により更なる調査が可能となり、最新の調査の結果、縄文時代には既に農業が行なわれていたことが判明したのです。
縄文時代の農業とは
それでは、真の起源とされる縄文時代に行われた農業とはどのようなものだったのでしょうか?
当時の土器に残された痕から、小豆や大豆などの豆類・そしてアワやキピなどの穀類がイネより先に生産されていたことが明らかになっています。
また、渡来人が技術を伝えた始まりの地は北九州であり、そこから弥生時代に本州や四国に稲作文化が伝わったとされています。
稲作の文化が始まってからは、栄養の高く栽培効率の良いイネを全国的に集中して生産するようになったため、余計にこういった誤解が生まれたのだと思われます。
まとめ
今回は、日本の農業の起源についてお伝えしました。
きゃろさん
このように1万年ほど前に、彼らが農業を開拓してくれたおかげで、今日では私たちは美味しい野菜をいっぱい食べることができているのです。