野菜作りで苦労するのは、病気や害虫、日照不足、多湿乾燥など様々な要因があります。
しかし、「良い土づくりの方法」・「上手な種のまき方」・「苗の植え方」この3つのポイントを抑えておけば、たいていの苦労は解消されると言っても過言ではありません。
今回は、「良い土づくりの方法」の前段階の、土づくりの知識について解説していきたいと思います。
もくじ
三大要素
野菜が根を伸ばし、健康に育つには、畑の土が適度な水分と空気を含んでいることが重要です。
固相(こそう)・気相(きそう)・液相(えきそう)
固相(こそう)とは、砂や粘土などの固形物のことを指します。
気相(きそう)とは、空気のことを言います。
液相(えきそう)とは、水分のことです。
この3つが土にどれだけの割合で含まれているかで、野菜が健康に育つかどうかの分かれ目となります。
良い土の理想のバランス
固相・気相・液相の割合を見ていきましょう。
理想の状態とは
砂や粘土の固形物である固相が約40%、空気である気相が30%、水分である液相が30%の割合が理想とされています。
土はフカフカでやわらかく、しっとりした状態です。
種をまくと発芽がそろい、野菜は根をよく伸ばし、養分・水分の吸収が良い土になります。
土が乾いた状態とは
固相が約40%、気相が40%、液相が20%など、液相の割合が低く、気相の割合が高いと乾いた状態になります。
水分が少ない砂質の土では水はけが良すぎるため、雨が少ないと液相の割合が低くなり、発芽がそろわず根も伸び悩みます。
保水力を高める工夫が必要になります。
土が湿った状態とは
固相が約40%、気相が20%、液相が40%など、液相の割合が高く、気相の割合が低いと湿った状態になります。
水分の多い粘土質の土では水はけが悪く、雨が降ると液相の割合が高くなり、種が呼吸できずに腐り、野菜は根腐れを起こしやすくなります。
土に隙間を作って水はけを改善する工夫が必要になります。
注意
固く締まった土をスコップやくわで耕すと、土が空気を含んで一見やわらかくなります。
しかし、耕すだけでは雨が降るとやがて元の固い土に戻ってしまいます。
良い土とは、上記の固相・気相・液相のバランスが取れている、水持ちと水はけが良い「団粒構造」が発達した土と言えます。
まとめ
今回は良い土において必要な三大要素をご紹介しました。
きゃろさん
乾いた砂質の土、湿った粘土質の土でも工夫次第では良い土に出来ます。
次回は、理想の状態である「団粒構造」の土について詳しく見ていきましょう。